2005年1月31日:公開
2005年3月8日:サーバー移転
2005年3月8日:改訂(申し込み方法,支払方法)
2005年3月9日:改訂(申し込み方法)


主催・企画:
計測自動制御学会 制御部門ご周知のとおり,第5回制御部門大会が2005年5月25日(水) 〜27日(金)に仙台市民会館(仙台市青葉区桜ヶ岡公園4番1号(西公園))で開催されます.例年と同様に部門大会前日に有料のワークショップを企画したいと思います.

毎年行われている定番SICEセミナー(ロバスト制御,システム同定など)が広く会員を対象としているのと異なり,ワークショップは制御部門大会の参加者を対象に考えて,制御部門に関係する先端的な話題,基礎的な話題などを集中的に講習し,受講者に短期間で身につけていただくというものです.例年のワークショップでは講習会を中心に行ってきましたが,今回は部門大会実行委員会と共同で,従来の講習会に代わりに,SICE以外でご活躍され,独創的な研究で注目されている研究者の方による基礎から応用にいたるまでの集中セミナーという新企画を用意しました.

特に,今回の企画では,数理物理学の分野でご活躍で,多数の著書でも有名な保江邦夫先生にご講演をお引き受けいただきました.最近制御の世界でも,量子系の制御というテーマが脚光をあびています.また,確率系の研究もふたたび盛んになってきております.そこで,確率微分方程式の興味深い内容を数式ベースでご講義していただき,確定系の微分方程式との違いを制御工学に携わる研究者,エンジニア,学生の方々に体験していただきたく思います.

制御部門大会にお越しの方は,ぜひこの機会に参加いただければ幸いです.また部門大会の参加者に限らず,どなたでもご自由に参加できますので,東北地区周辺の研究者・エンジニア・学生の皆様には,この機会を逃すことなく,ぜひ奮ってご参加いただきますようご案内申し上げます.特に,賛助会員の方々および部門大会に参加する学生の方々は無料で聴講できますので,部門大会と同様に積極的なご参加をお願い致します.

期  日:
2005年5月24日(火) 13:00-17:00
 
会  場:
仙台市民会館 第1会議室
[〒980-0823 仙台市青葉区桜ヶ岡公園4番1号(西公園) TEL.(022) 262-4721 FAX. (022) 215-3950
URL http://www.stks.city.sendai.jp/hito/WebPages/sisetu/kaikan/index.html ]
交  通:
部門大会HPをご覧下さい.この会場では翌日より部門大会が開催されます.
URL http://www.ic.is.tohoku.ac.jp/CCS2005.html
 
講義題目:確率制御理論と量子力学をつなぐ確率変分学

講  師:保江 邦夫(ノートルダム清心女子大学)

概  要:
古典力学における最小作用の法則は,長い間量子力学においては成立しない巨視的世界でのみ成り立つ原理と考えられてきた.しかし,変分学を確率過程にまで拡張した確率変分学という新しい数学的枠組を整備することにより,実は量子力学においても最小作用の法則が成り立つことが示される.これにより,通常はシュレーディンガー方程式を満たす複素数値の波動関数という形でしか捉えることのできなかった原子レベルでの粒子運動を,制御確率過程の見本経路として捉えることができるようになる.確率変分学の枠組はまた,流体力学における粘性流体に対するナビエー・ストークス方程式を変分原理から導くことを可能にし,さらには金融理論に対する新しい観点を提供する.この講演では,まず確率変分学の数学的な枠組とその派生理論を平易に解説し,その後で量子力学,流体力学,制御理論,金融理論への応用を解説する.

13:00-15:00 第一部:確率変分学概論
15:00-17:00 第二部:量子力学・流体力学・制御理論・金融理論との接点

定  員:
50名(定員になり次第,締め切ります.)
 
参加費:
会員3,000円,会員外5,000円,一般学生2,000円
ただし,賛助会員の方々および部門大会に参加する学生の方々は無料です.
 
申し込み方法: (2005年3月9日更新New)
第5回制御部門大会の参加フォーム(3月中旬頃準備予定)内で, 「ワークショップに参加する」にチェックして下さい.
注意1:ワークショップのみの参加(部門大会には不参加)の場合も,上記のページからお申し込み頂けます.
注意2:SICEホームページ内のオンライン申込CGIに登録されていた「ワークショップ聴講申込」は部門大会の参加フォームに統合されました.
支払方法: (2005年3月8日更新)
会場での当日支払も可能ですが,事務処理の都合と会場での混雑回避のため,なるべく,参加費の事前のご送金をお願いいたします.振込先は第5回制御部門大会の参加費(事前振込の割引あり)の振込先と同一ですので,部門大会の参加費等に合算してお支払い下さい.ワークショップのみ参加される方は,下記の口座にお振り込み下さい.
■銀行名・支店名: 七十七銀行・本店
■口座番号: 7565437
■名義人: SICE 部門大会 会計 張山昌論
(サイス ブモンタイカイ カイケイ ハリヤママサノリ)
 
事務局:
〒113-0033 東京都文京区本郷1-35-28-303 計測自動制御学会 部門担当
電話(03)3814-4121, FAX(03)3814-4699,E-mail:bumon@sice.or.jp
 
問い合わせ先:
中野和司 電気通信大学 電子工学科
〒182-8585 調布市調布ヶ丘1-5-1
TEL: 0424-43-5190 FAX: 0424-43-5183, E-mail:nakano@ee.uec.ac.jp
牛田  俊 東北大学大学院情報科学研究科システム情報科学専攻
〒980-8579仙台市青葉区荒巻字青葉01
TEL:022-217-7017, FAX: 022-217-7015, E-mail:ushida@fractal.is.tohoku.ac.jp
 
□ 講師紹介
保江邦夫(やすえくにお)君(非会員) ノートルダム清心女子大学教授
東北大学理学部(天文学)卒業.京都大学大学院理学研究科博士前期課程(物理学)および名古屋大学大学院理学研究科博士後期課程(物理学)修了.理学博士.スイス・ジュネーブ大学理論物理学科講師,東芝総合研究所研究主務,ノートルダム清心女子大学助教授を経て現職.専門は量子力学基礎論と数理物理学。量子についても粒子に対する基本的運動法則である最小作用の法則が成り立つことを、確率過程に対する変分学である確率変分学という数学体系を考案することによって初めて理論的に証明したことで世界的に知られている。確率変分学の数学自体はその後確率論の主要な応用分野にも用いられ、最近では金融数学においても利用されることが多くなった。また、量子の運動径路を確率過程として記述する確率量子化の理論において、基本方程式である確率微分方程式を数値解析の手法で解くことにより量子の運動の詳細をモンテカルロ法によって記述する新しい枠組を世界で初めて考案したことでも有名。現在は、脳組織などの生体組織中における光量子凝集体を場の量子論における自発的対称性の破れ現象として捉えることにより、生命や心といった生物の根元的機能の発現機構を理論的に解明することに注力している。主な著書:”Quantum Brain Dynamics and Consciousness” (JohnBenjamins、 Amsterdam),”No Matter、 Never Mind” (John Benjamins、 Amsterdam),「数理物理学方法序説・全8巻」(日本評論社),「量子場脳理論入門」(サイエンス社),「Excel で学ぶ量子力学」(講談社・ブルーバックス),「量子力学」(海鳴社)等