2012年3月 14日(水)~3月 16日(金) 奈良県文化会館
主催・企画
(社)計測自動制御学会 制御部門
協賛
IEEE Control Systems Society Japan Chapter, IEEE Control Systems Society Kansai Chapter, システム制御情報学会,日本機械学会,電気学会, 日本ロボット学会,電子情報通信学会,日本航空宇宙学会,精密工学会,情報処理学会
実行委員会
実行委員長 | 杉本 謙二(奈良先端科学技術大学院大学) |
プログラム委員長 | 藤崎 泰正(大阪大学) |
幹事 | 平田 健太郎(奈良先端科学技術大学院大学) |
実行委員 | 東 俊一(京都大学) |
石川 将人(大阪大学) | |
伊藤 直治(奈良教育大学) | |
牛田 俊(大阪工業大学) | |
奥 宏史(大阪工業大学) | |
小木曽 公尚(奈良先端科学技術大学院大学) | |
酒井 史敏(奈良工業高等専門学校) | |
橋本 智昭(大阪大学) | |
松原 崇充(奈良先端科学技術大学院大学) |
プログラム
大会テーマ企画
制御の新しい方向性を探る:社会システム設計と制御
オーガナイザー SICE 社会的課題抽出・展開専門委員会 委員長 原 辰次 君 (東京大学)
3 月 14 日(水),9:30–10:30,国際ホール
近年,科学技術に求められている内容が大きく変化してきている.すなわち,環境・エネルギー・医療といった社会的課題の解決に向けた貢献が大きく期待されており,その要請に応えるべく科学技術を発展させていくことが強く望まれている.特に,昨年 3 月の大震災・福島原発の問題以降は,その傾向が高まってきており,先端科学技術の進展に常に寄与してきた「制御」においても,この視点は非常に重要である.
本特別企画では,このような背景の中で,社会的課題の解決に向けた社会システム設計を
「制御主導」で実現するために,制御理論・制御工学の学問分野が向かうべき方向性について,関連する3つの活動を通して議論する.
活動内容
- 「人間・自然と共生する社会システム設計と実現」 原 辰次 君(東京大学)
- 「システム構築による社会的課題の解決に向けて」 藤田 政之 君(東京工業大学)
- 「グローカル制御とその展開」 井村 順一 君(東京工業大学)
パイオニア賞受賞記念講演
動的システムの空間構造:均質性とスケーラビリティ
受賞者 加嶋 健司 君 (大阪大学)
受賞研究 大規模系・分布定数系のシステム制御理論とその応用
3 月 15 日(木),16:30–17:30,国際ホール
工学において実現象を数学的にモデル化する場合,その記述能力と扱いやすさのトレードオフを常に注意深く考慮する必要がある.本講演では,大規模系のシステム制御理論におけるこのトレードオフに関するいくつかの結果を,記述能力が増す(扱いづらくなる) 順に紹介していきたい.具体的には,動的システムに内在する空間的均質性を指標として用いて,その理論的恩恵とモデリングの制約について説明する.また,電磁石の分布定数モデリングや神経振動子における波動伝搬モデルなどへの応用例を通して,これまで提案してきた方法の有用性を示す.
特別企画
現役エディタが語る ─ SICE 論文集の査読と編集
足立 修一 君 (慶應義塾大学)
3 月 15 日(木),17:30–17:50,国際ホール
特別講演
高速高精度なモーションコントロール
-制御技術でハードウェアの限界に挑む
平田 光男 君 (宇都宮大学)
3 月 16 日(金),9:30–10:30,国際ホール
ハードディスクドライブをはじめとする高速かつ高精度な位置決め制御が要求されるシステムでは,制御対象の機械共振を加振しないフィードフォワード入力が必要となる.もし, 制御対象が剛体であれば,最大加速と最大減速によるbang-bang 入力が最短時間での位置決めを達成する.しかし,制御対象が機械共振を持つと,急激な加減速によって残留振動が生じ,位置決め時間がかえって長くなってしまう.したがって,機械共振を起こさず, かつ,高速な位置決めを実現するフィードフォワード入力を設計しなければならない.
この問題に対し,我々は周波数整形型終端状態制御による制振軌道設計法を提案し,さまざまなシステムへ適用してきた.また,実用化促進のために,入力飽和への対応,多項式による軌道生成や 2 自由度制御系への適用,ハイブリッドシステムへの適用なども行ってきた.本講演では,その着想から具体的設計法,そして,実システムへの適用について紹介する.また,産学連携や制御理論の産業応用について日頃考えていることについてもお話ししたい.
講演者略歴
1969 年 1 月 17 日生.1993 年 3 月千葉大学大学院工学研究科修了.1996 年 3 月千葉大学大学院自然科学研究科修了.同年 4 月千葉大学工学部助手,2004 年 6 月宇都宮大学工学部助教授,2007 年 4 月宇都宮大学工学部准教授,現在に至る.博士(工学).2002 年 8 月
~2003 年 8 月カリフォルニア大学バークレイ校機械工学科客員研究員.主としてロバスト制御理論,サンプル値制御理論,及びそれらの応用に関する研究・教育に従事.著書に
MATLAB による制御系設計,ナノスケールサーボ制御(東京電機大学出版局)など.計測自動制御学会,システム制御情報学会,日本機械学会,日本鉄鋼協会,IEEE などの各会員.
サテライト行事
計測自動制御学会 制御部門大会 ワークショップ
「レスキューロボットの活躍と今後の研究」
日時 2012 年 3 月 13 日(火)13:30–17:00
主催・企画 計測自動制御学会 制御部門 事業委員会協賛 IEEE Control Systems Society Kansai Chapter 会場 東大寺総合文化センター 金鐘ホール
プログラム
• 13:30–13:35 開会の挨拶
13:35–14:35 レスキューロボットの東日本大震災対応 —福島第一原子力発電所事故対応を中心として— 田所 諭 君 (東北大学)
14:45–15:45 国際救助隊サンダーバード構想 —阪神淡路・東日本大震災の経験から—
松野 文俊 君 (京都大学)
15:55–16:55 ロボット研究における災害対応ロボティクスのスタンス
大須賀 公一 君 (大阪大学)
• 16:55–17:00 閉会の挨拶
IEEE Kansai Section CSS Chapter 設立記念行事
日時 2012 年 3 月 16 日(金)16:00–17:30
主催・企画 IEEE Control Systems Society (CSS) Kansai Chapter, IEEE Kansai Section
会場 奈良県文化会館 2 階小ホール(第 1 室)
チュートリアル講演
システム制御工学における 「モデル」 の役割 足立 修一 君 (慶應義塾大学)
制御理論は Maxwell の論文 “On governors” (1868) をもって嚆矢とするが,そこではガバナの運動が3階微分方程式で記述できる,すなわちモデリングできることが書かれていた.このように制御理論の歴史はモデリングの歴史といっても過言ではなく,現在でも制御のためのモデリングに関する研究が精力的に行われている.本講演では,システム制御工学における「モデル」の役割について,その歴史的背景から研究の最前線までを駆け足で述べてみたい.