SICEセミナー「マルチエージェントシステムの制御:IoT時代の制御理論」
主催・企画
計測自動制御学会 制御部門
協賛(依頼中を含む)
システム制御情報学会, 自動車技術会, 人工知能学会, スケジューリング学会, 精密工学会, 電気学会, 電子情報通信学会, 土木学会, 日本音響学会, 日本応用数理学会, 日本機械学会, 日本建築学会, 日本航空宇宙学会, 日本鉄鋼協会, 日本電気計測器工業会, 日本知能情報ファジィ学会, 日本フルードパワーシステム学会, 日本リモートセンシング学会, 日本ロボット学会, バイオメカニズム学会, ヒューマンインタフェース学会, プロセス計装制御技術協会, 計装研究会, ひびきのAI社会実装研究会
お知らせ
2016/10/20:
講義スライドを公開しました.こちらからダウンロードできます.
2016/9/21:
申込締切を 9月26日(月) に延長しました.
2016/9/15:
申込締切を 9月21日(水) に延長しました.
2016/7/14:
Webページおよび申込みサイトを公開しました.
セミナー内容
計算機の小型化・高速化と無線通信の高信頼化により,制御システムをネットワーク化して分散的に制御するようなシステムが近年特に重要性を増している.例えば,センサネットワークやスマートグリッド,IoTなどがその例として挙げられる.また,近年特に注目されている人工知能においてもネットワークは重要な概念であり,マルチエージェントシステムとして古くから研究がある.それらのシステムをうまく操るためには,制御理論の観点からネットワークの構造を考慮したアプローチが有効である.
そのようなマルチエージェントシステムのための制御理論は最近10年あまりで大きく発展してきているが,大学の講義で教えられることはほとんどなく,また初学者向けのセミナーも日本では開催が稀である.
本セミナーでは,この分野で国際的に活躍している5名の研究者によるリレー講義を行う.マルチエージェントシステムの制御理論に関する研究を今から始めたい学生や初学者やこの分野に興味を持つ他分野の研究者を対象としているが,特に,この制御理論の産業応用を考えている企業開発者にとっても理解が深まるように,理論の概念および基礎知識を講義と演習の形式により学ぶ場を提供する.前提となる知識は,初歩レベルの線形代数と微積分である.古典および現代制御理論の知識があれば望ましいが,セミナーの最初に必要となる知識は解説するので,制御分野以外の方も受講可能である.本セミナーを受講することにより,マルチエージェントシステムの制御に関する最新の論文を読み解き,今すぐ研究・開発をスタートできるレベルまで到達することが目標である.
テキスト(コロナ社「マルチエージェントシステムの制御」)および筆記用具をご持参ください.テキストについては,会場でも特別価格2,700円(税込)で販売いたします.
SICE 賛助会員については特典として,申込期限までの事前申込の場合には,割引料金にてセミナー受講ができることになっております.賛助会員組織の方々も奮ってご参加下さいますようお願い申し上げます.賛助会員リストはこちらからご覧頂けます.
期日
2016 年 9 月 29 日(木) 10:25−17:45
2016 年 9 月 30 日(金) 10:30−17:45
会場
北陸先端科学技術大学院大学 東京サテライト
東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟19階
http://www.jaist.ac.jp/satellite/sate/
アクセス:JR品川駅から徒歩3分
参考URL: http://www.jaist.ac.jp/satellite/sate/access/
講義内容
講師
石井 秀明 君(東京工業大学),永原 正章 君(北九州市立大学),林 直樹 君(大阪大学),桜間 一徳 君(鳥取大学),東 俊一 君(京都大学)
9 月 29 日(木)(第 1 日目)
10:25−10:30 本セミナーの趣旨説明(永原)
10:30−11:30 総論(石井)
11:30−12:30 制御理論と線形代数の復習(永原)
昼休憩60分
13:30−15:30 グラフ理論(林)
休憩15分
15:45−17:45 合意制御1(桜間)
9 月 30 日(金)(第 2 日目)
10:30−12:30 合意制御2(桜間)
昼休憩60分
13:30−15:30 被覆制御(東)
休憩15分
15:45−17:45 分散最適化(永原)
本セミナーの趣旨説明(永原)
概要:講義の進め方や内容,スケジュールについて,簡単に説明します.
総論(石井)
概要:本講義では,マルチエージェントシステムの総論を提供する.まず,マルチエージェントシステムのさまざまな応用例,例えば自律移動型ビークル群やセンサネットワークなどを紹介し,こうしたシステムが持つ特徴や課題を考える.エージェントは情報交換を通じて相互作用するが,その結果として得られるネットワーク構造をグラフによってモデル化する方法について説明する.最後に,広く電力システムや複雑ネットワーク科学,分散アルゴリズム等の分野との関連についても触れる.
制御理論と線形代数の復習(永原)
概要:制御理論を専門としない方にも以降の学習に支障が無いように制御理論の基礎を講義するとともに,固有値や固有ベクトル,ジョルダン標準形など線形代数の復習を行う.
グラフ理論(林)
概要:マルチエージェントシステムの制御では,エージェント間で情報を共有するための「つながり方」について考えることが重要である.本講義では,エージェント間の「つながり方」を数学的に扱う上で必要となるグラフ理論について紹介する.
合意制御 1・2(桜間)
概要:本講義では,マルチエージェントシステムの合意制御について概説する.合意とは,エージェントがネットワーク上で情報を交換しながら状態変数を漸近的に一致させることである.ネットワーク上で得られる情報のみを用いた制御器を分散制御器とよぶ.ここでは,線形な分散制御器を用いた場合に合意が達成されるための条件を,ネットワーク構造を表すグラフによって特徴付ける.ただし,グラフの頂点はエージェントを辺は情報交換経路を表す.これによって,合意制御による収束条件をグラフにおける概念と関連づける.
被覆制御(東)
概要:空間上にエージェントを指定された分布で配置する制御のことを被覆制御という.本講義では,まず,被覆制御問題の定式化を紹介する.つぎに,問題を解くにあたって重要な概念となるボロノイ図と勾配系を説明し,被覆制御を実現する方法を示す.
分散最適化(永原)
概要:マルチエージェントシステムの応用として分散最適化の説明を行う.ビッグデータと呼ばれる大規模データの解析やスパースモデリングなどでは大きな規模の最適化問題を実時間で解く必要がある.本講義では,凸最適化の基礎を説明したのち,特にスパースモデリングなどで重要なL1最適化に対する分散最適化について,最新の研究動向も含めてわかりやすく解説する.
講師紹介
石井 秀明(いしい ひであき)君(正会員)
2002年トロント大学電気工学科博士課程修了.2001年イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校 Coordinated Science 研究所ポスドク研究員.2004年東京大学 大学院情報理工学系研究科 システム情報学専攻 助手.2007年東京工業大学 大学院総合理工学研究科 知能システム科学専攻 准教授.2016年より同大学 情報理工学院 情報工学系 准教授.Ph.D. ネットワークを介した制御系,マルチエージェント系,制御システムのサイバーセキュリティ,電力システムなどの研究に従事.2015年 IEEE Control Systems Magazine Outstanding Paper Award 受賞.システム制御情報学会,IEEEの会員.
永原 正章(ながはら まさあき)君(正会員)
1998年3月神戸大学工学部卒業,2000年3月京都大学情報学研究科修士課程修了,2003年3月同博士後期課程修了,博士(情報学),同年4月同研究科助手,2007年4月同助教,2012年10月同講師,2016年4月北九州市立大学環境技術研究所教授となり現在に至る.1999年計測自動制御学会学術奨励賞,2012年計測自動制御学会学会賞(論文賞),2012年IEEE Control Systems Society Transition to Practice Award,2014年電子情報通信学会通信ソサイエティ論文賞 (Best Tutorial Paper Award)等を受賞.最適制御,スパースモデリング,人工知能などの研究に従事.IEEEの上級会員 (Senior Member), SIAM, SICE, ISCIE, IEICEの各会員.ひびきのAI社会実装研究会委員.
林 直樹(はやし なおき)君(正会員)
2011年 大阪大学 大学院基礎工学研究科 博士後期課程修了,2011年 京都大学大学院情報学研究科 研究員,2012年 大阪大学 大学院工学研究科 助教となり,現在に至る.博士(工学).分散制御,協調制御に関する研究に従事.2015年計測自動制御学会関西支部 支部長賞,2010年 電子情報通信学会 学術奨励賞,2009年 テレコムシステム技術学生賞等を受賞
桜間 一徳(さくらま かずのり)君(正会員)
2004年京都大学大学院情報学研究科システム科学専攻博士後期課程修了.同年電気通信大学大学院電気通信学研究科電子工学専攻助手.2007年助教を経て,2011年から鳥取大学大学院工学研究科機械宇宙工学専攻准教授となり,現在に至る.博士(情報学).マルチエージェントシステムの分散制御器設計の研究に従事.2014, 2015年計測自動制御学会制御部門大会賞を受賞.計測自動制御学会,システム制御情報学会,日本ロボット学会,IEEEなどの会員.
東 俊一(あずま しゅんいち)君(正会員)
2004年東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程修了.同年 日本学術振興会特別研究員,2005年 京都大学大学院情報学研究科助手,2007年 同 助教,2011年 同 准教授となり現在に至る.この間,2004年11月〜2005年8月 ジョージア工科大学客員研究員,2009年4月〜2010年3月 ペンシルバニア大学客員研究員.ハイブリッドシステム制御論の研究に従事.博士(工学).2005年,2008年,2014年 計測自動制御学会論文賞,2011年 同学会 制御部門パイオニア賞,2014年 システム制御情報学会 学会賞 論文賞などを受賞.IEEE,計測自動制御学会などの会員.
定員
50 名(定員になり次第,締め切ります)
資料(テキスト)
東,永原,石井,林,桜間,畑中著:マルチエージェントシステムの制御,コロナ社,2015
当日会場にて,定価3,240円(税込)のところ特別価格2,700円(税込)で販売いたします.
参加費
正 会 員 | 学生会員 | 会 員 外 | 賛助会員枠 | |
---|---|---|---|---|
両日参加 | 20,000円 | 8,000円 | 40,000円 | 8,000円 |
第1日のみ参加 | 10,000円 | 4,000円 | 20,000円 | 4,000円 |
第2日のみ参加 | 10,000円 | 4,000円 | 20,000円 | 4,000円 |
賛助会員枠での参加は 25 名(受講者枠の半数)までであり,下記申込締切時においてこれを超過した場合には賛助会員口数や申込順等を考慮して受講者を決定させて頂きます.賛助会員枠での受講の可否については,下記申込締切り後 7 日以内にメールにてお知らせいたします.賛助会員枠での受講に漏れた場合および期限を過ぎての申込の場合には,正会員と同じ取扱とさせて頂きますが,詳細については本 web ページの更新情報および参加申込 URL をご覧下さい.
非会員の学生は,入会を検討して頂くことを条件に,学生会員の参加費でお申し込み頂けます.
参加申込
申込締切
2016 年 9 月 15 日(木) 9 月 21 日(水) 9 月 26 日(月)に延長しました.
申込方法
SICE 部門行事申込みページから申し込んでください.
参加費振込方法
部門大会・シンポジウム・セミナー等での参加費振込要領をご覧ください.
キャンセルポリシー
本セミナー参加申込のキャンセルポリシーは下記の通りです.(申込のキャンセルは,学会事務局にご連絡ください.)
参加費が支払済みの場合
2016年9月19日(月)(開催日 10 日前)まで: キャンセルを受け付けます(手数料は参加者負担で返金いたします).
2016年9月20日(火)以降: キャンセルを受け付けません(返金不可).代理の出席は可能です.
参加費が未払いの場合
2016年9月19日(月)まで: キャンセルを受け付けます.
2016年9月20日(火)以降: キャンセルを受け付けません.参加費をお支払いただきます.
問い合わせ先
(スパムメール防止のため@を [at] と記載しております.)
SICE 制御部門 事業委員会
- 小林 孝一(北海道大学), E-mail: k-kobaya [at] ssi.ist.hokudai.ac.jp
- 新銀 秀徳(山口大学),
- 佐久間 壮(日産自動車)
会場世話人
- 平石 邦彦(北陸先端科学技術大学院大学)
学会事務局 部門協議会担当
電話(03)3814-4121,E-mail: bumon [at] sice.or.jp
SICE制御部門事業委員会
SICE制御部門
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