適応・学習アプローチで挑むシステム制御調査研究会
第1回講義会「学習」と「システム・制御」の複合領域における新地平
本講義会では,「学習」という領域と「システム・制御」という領域の間にある新しいシーズをさぐるべく,学習の分野で近年盛んに研究されている高次元ニューラルネットワーク,および,疎な表現に基づく情報処理に関する話題についての講習会を企画しました. 「計測と制御」の第51巻4月号での特集でも取り上げられているように,複素数,4元数,8元数など高次元の数に基づくニューラルネットワークが,システム制御とも関わりの深いデータマイニングや信号処理などにおいて,新しい機械学習の主題として注目を浴びています.ここでは,そのような新しい高次元ニューラルネットワークの最新の話題を講義いただきます.また,圧縮センシングやスパースモデリングなどが脳科学や信号処理の分野で近年盛んに研究されています.制御の分野でも,近年,データ圧縮などによる同定の話題が研究されています.ここでは,これらを包含した,より広い意味での疎な情報表現に基づく情報処理の方法を,画像解析,および,脳による運動制御の話題を通して講義いただきます. このように,近年の学習の分野での新しい話題をご講義いただくことで,制御とその境界領域での新しい方向性と研究シーズを探り,これらの複合した新しい研究主題の萌芽に貢献することが本講義会の目的です.
【主 催】 計測自動制御学会制御部門 適応・学習アプローチで挑むシステム制御調査研究会
【協 賛】 電気学会C部門 制御技術委員会
電気学会D部門 産業計測制御技術委員会
【日 時】 平成24年12月19日(水) 13:00〜18:00
【会 場】 東京都立川市緑川10−3 統計数理研究所セミナー室2 D304号室(統計数理研究所へのアクセス)http://www.ism.ac.jp/access/index_j.html
【参加費】 無料
【定 員】 80名(定員に達し次第締め切ります)ご参加の申し込み,お問い合わせは愛媛大学教育学部 大西義浩(ohnishi@ehime-u.ac.jp)へemailで御連絡下さい.資料準備の都合もありますので12月15日までに御連絡下さい.
【プログラム】13:00〜15:00 高次元ニューロコンピューティング 新田 徹 様 (産業技術総合研究所)複素ニューラルネットワークも含めた高次元ニューラルネットワークのモデルと諸特性,応用例についてお話します.高次元ニューラルネットワークは,学習パラメータを複素数などの高次元の数に拡張したものです。その利点や実ニューラルネットワークとの相違点などについて述べます.
15:15〜17:15 疎表現に基づく情報処理 池田 思朗 先生(統計数理研究所) 近年,多次元の情報源が疎である,すなわち0が多いということを積極的に用いる情報処理の方法が広く注目されています.LASSOや圧縮センシングといった方法はその代表格ですが,疎性はより広い概念です.この講演ではこれまで行ってきた疎性に基づく方法について説明します.ひとつは回折画像の解析法である位相復元の問題,もうひとつは脳科学で長年研究されている腕の制御の問題です.
17:15〜18:00 情報交換